月刊 『健康食品つまみ食い』 〜　巷にあふれる健康食品を試食してみました　〜

田 田

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　　　月刊「健康食品つまみ食い」 　　　　　　　〜巷にあふれる健康食品を試食してみました〜 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　創刊号（2005/3/1発行） ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ スーパーやコンビニの飲料品コーナーへ足を運ぶと、外国製のもや国内製のも の、一流メーカーのものから聞いたことのないメーカーのものまで、実に多く の「水」が売られています。「水と空気はタダ」という時代はすでに終わって しまったようです。 また、ヒトの体の６０％は水でできているといわれています。そこで、私たち の体の過半数を占める大切な「水」について、今回から２回にわたり、お話し てみようと思います。 そこで第１回は「π（パイ）ウォーター」をつまみ食いしてみました。 ─────────────────────────────────── 奇跡の水「π（パイ）ウォーター」 先日、近くの喫茶店に「当店は体にいいパイウォーターを使っています」とい う張り紙がありました。その店ではポリタンク入りのパイウォーターを購入し て、コーヒーを入れたり、お冷としてだしているようでした。 容器に入ったパイウォーターの他にも「パイウォーター製造機」なるものが 「奇跡の水を作る機械」として売られていたりします。 　・切花をパイウォーターに生けると長持ちする 　・お風呂にパイウォーターを入れると早く沸く 　・体の細胞を活性化させる 皆さんもこんなフレーズを耳にしたことがあるのではないでしょうか？ これがパイウォーターの宣伝文句です。 ところで、「π（パイ）ウォーター」とは何でしょう？ 以前名古屋大学にお勤めであった山下昭治氏が「芽が花になる過程の遺伝情報 に水が関係しているのではないか」という考えを元に提唱された理論による水 のことです。 水について造詣が深い左巻健男氏の著書「おいしい水　安全な水」の中に 「πウォーター理論」を簡単に説明すると、「生命を支えている状態とは、あ る種（二価、三価）の鉄塩によって誘導された状態であり、正しい情報をもっ た微量の鉄塩を体内に入れると本来あるべき健康な体になる」ということです 鉄塩のこうした体内での活性状態を、水の「π化状態」と呼んでいます。 と、あります。難しいことはわかりませんが、要するに「パイウォーターを体 内に入れれば健康な体になれる」のです。 ならば、パイウォーターがもてはやされるのもうなづけます。 ところが大きな問題が１つ。 パイウォーターの提唱者である山下氏が、「パイウォーターの効果を発揮させ る製造技術がまだない」「いま出回っているパイウォーター製品には疑問があ る」と発表したのです。いまから約１０年前のことですが、それ以後、技術が 開発されたという発表を聞いていません。 事実、国民生活センターのテストでも、パイウォーター製造機で作られた水を 水道水と比べても「切花が長持ち」したり、「お湯が早く沸く」といった効果 は見られなかったそうです。 そこで、前述の喫茶店でパイウォーターで入れたコーヒーとやらを飲んでみた 感想ですが、確かにおいしいような気もしました。しかし、それ以前に、コー ヒーの味は入れる人の技量で大きく変わります。今回はマスターの腕がよかっ たのだと思いますが、プラシーボ（偽薬）効果も無視はできません。 科学的根拠がなくても、体に害がないものなら、「この水は効く！」と信じて 飲むことで、病気がよくなることもあるでしょう。 ＜今回の評価＞ 　　　鰯の頭も信心から 　　　信ずる者は救われる 次回は「海洋深層水」をつまみ食いします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　健康食品つまみ食い　〜巷にあふれる健康食品を試食してみました〜 ─────────────────────────────────── 　■ご意見、ご感想、お問い合わせなどは→ healthfoods@infoseek.jp 　■配信先の変更、配信停止は→http://healthfoods.fc2web.com/ ─────────────────────────────────── 　企画・発行：ケンショウ　 　このメールマガジンは、『まぐまぐ』　『melma!』　を利用して配信しています。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　(C) Copyright 2005 kensyo. All rights reserved.

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